矢尾伸哉「パラダイスの戦略 strategy of paradise」

2023年7月10日(月)-7月15日(土) 日曜休廊

11:30~19:00 ※最終日17:00まで

本展は、江戸城跡地(皇居)を囲む濠をぐるりと撮影したものを素材としたインスタレーションです。名と場所をテーマとしたフィールドワークから出発しつつも、そこで私の興味をひいたのは城郭の円環構造であり、濠-石垣-木立のミニマルなイメージの反復でした。「パラダイスの戦略」というタイトルはここから来ています。パラダイスの語源はイラン祖語*paridayjahまで遡り、「壁で包囲された場所」という意味で、中の様子を伺えない、到達・侵入できない、触れえない、そういった場所のことです。パラダイスはまずは禁域ですが、その境界が空間的・時間的にひろがれば、それは聖域、楽園、桃源郷、ユートピアといったものになり、語られる存在となってゆきます。古来、私たちは、パラダイス的な距離に魅了されてきたわけですが、それは、現代の電子的アーカイヴへとの関係をも遠くから規定しているのかもしれません。そこに「ない」ことで「ある」。それがパラダイスというものではないでしょうか。本展では、江戸城跡地(皇居)をパラダイスに見立て、その断片・配列を異なるパラダイスへと逸脱させることが目論まれています。

■略歴
写真・映像を中心とした視覚的アーカイヴをテーマとしたインスタレーションを制作・発表。 最近の活動として、「Version」(表参道画廊 2021)、「You Are Here」(MuseeF 2020)、「Corps For Ghosts」(表参道画廊 2019)等がある。

 


女子美術大学洋画研究室企画 Trans-Vol.3『skew position』 〜洋画専攻絵画コース4年 絵画ⅢB「コンペティション受賞者展」

2023年7月3日(月)~7月8日(土) 日曜休廊

11:30~19:00 ※最終日17:00まで

作家/大橋侑奈、片口南、野々宮一葉、本田萌、森根暖、山本瑞季

野々宮一葉 『回帰』2022 年550×770×670mm

本展覧会では、女子美術大学洋画専攻3年次の授業「コンペティション」の受賞者から6人の学生を集って展示を行う。 6人の題材や作風には多様で強烈な個性がある。 本展のタイトル名『skew position』(”ねじれの位置”という意味)は、作品の方向性が 6 人バラバラで交わらないことから名付けた。一人一人の取り巻く環境や考え方、価値観はそれぞれ異なるため、永遠に分かり合うことが出来ない。従って作品も交わろうとしない。同じ次元にいない6人が、一つの空間で各々の個性を爆発し、鑑賞者には宇宙を旅しているかのような感覚で色んな星を観に行ってくれればと思う。

 


毛利眞美 出版記念展(第2会場)

2023年5月22日(月)─6月17日(土) 日曜休廊

10:30 – 18:30

第1会場:南天子画廊

第2会場:art speace kimura ASK?(2F)

詳細は南天子画廊HPを御覧ください

https://www.nantenshi.com/

 

 

  

「ふたりの画家、ひとつの家」毛利眞美の生涯

https://www.tokyo-shoseki.co.jp/books/81694/

5/22 より順次発売

 


富田勝彦作品展「貴淑」

2023年5月8日(月)-5月20日(土) 日曜休廊

11:30-19:00(最終日17:00まで)

 

過日の展示「還」の完全版(2018年 弊ギャラリーにて開催)

αM「艶淨」でキュレータ児島やよい氏に命名された『環境体験型空間』表現。
画廊空間を2つに仕切り、季節に合わせた「躑躅」と「藤」の花園をお見せします。
京都の寺院から眺める庭園を想起する「日本建築のサイズ」を用いた作品で、屋外の庭園を眺めるような空間を楽しんで頂きます。


Encyclo Takupedia展

アニドウフィルム刊デッサン・ユーモア集「TAKUPEDIA」出版記念

2023年4月24日(月)─4月29日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

トークショー:4月24日18:00-19:00  古川タク×山田典子×なみきたかし

※トークショー当日は、展示は17:00まで。会場は17:30より。

予約フォーム:https://anido.com/form/app20230424/

料金:無料(要予約)

art space kimura ASK? (2F)

  

古川タクが広げるフラフラな万華鏡世界!!

アニメーションとイラストレーションの巨匠、古川タクがクリ広げるフラフラな華麗ドスコープ!!

長年にわたって書きとめてきたスケッチや一コママンガが約1000点!その画集の集大成が「TAKUPEDIA」と題して出版されます。これを記念して、新作アニメーションの上映とユニークな展示をASK?にて開催します。

主催:アニドウフィルム、古川タク 協力:橋本裕充 機材協力・東京工芸大学アニメーション学科

 

TAKUPEDIA, (2022~2023)

 

新作短編アニメーション上映「フィクション信貴山」7分(2023)

 

略歴

古川タク

1941年三重生まれ。TCJ, 久里実験漫画工房を経て1970年代よりフリーランスのイラストレーター、アニメーション作家として活動。

1975年アヌシー国際アニメーション映画祭審査委員特別賞

1976年文藝春秋漫画賞

2004年紫綬褒章


笠木絵津子映像プロジェクト「現代物理への旅」序章「湯川ホールと佐藤文隆」上映会

2023年4月10日(月)─4月15日(土) 

11:30 – 19:00

art speace kimura ASK?(2F)

 

2022年11月湯川ホール会議室、インタビュー中の佐藤先生

2020年に林忠彦賞を受賞した現代美術家の笠木絵津子は物理学出身である。2022年に70歳と
なったのをきっかけに10年計画で映像プロジェクト「現代物理への旅」を始めた。これは世界の現代物理関係施設と科学者を訪ねてその映像記録を上映するプロジェクトである。

世界の一般市民に原爆、原発を産んだ現代物理の現在と過去を紹介し、原子力について自分の頭で考えてもらうためのきっかけになればと思う。最初の年2022年の成果として序章「湯川ホールと佐藤文隆」の上映会を東京で開催する。

 

<序章「湯川ホールと佐藤文隆」の内容>
2022年は、福島第一原発の廃炉作業の撮影および理論物理学者佐藤文隆京大名誉教授のインタビューの撮影を進めていたが、福島第一原発は、東京電力の都合により本番撮影が延期になったので、先に京大湯川ホールの取材を敢行した。福島第一は本番撮影が実施でき次第、後続の章で発表したい。
湯川ホールは、湯川秀樹博士のノーベル賞受賞を記念して1952年に建てられた。現在は京都大学基礎物理学研究所として世界と日本の理論物理学者を繋ぐ研究センターとなっている。笠木は1977年から3年半ここで助手をしていた時、世界で活躍する理論物理学者たちが常時開かれる国際会議で議論し研究に明け暮れる姿を目の当たりにしていた。その経験から理論物理の施設の宝は研究者の交流であると確信していたので、今回の湯川ホール撮影は、2022年11月に西宮湯川記念国際滞在型研究会「Novel Quantum States in Condensed Matter 2022」が開催されている時期にお邪魔することにし、湯川記念室と、国際研究会の自由な議論風景を撮影させていただいた。
佐藤文隆先生は、笠木が助手をしていた頃の基礎物理学研究所所長(第3代)で今年84歳、アインシュタインの相対性理論方程式の一般解を解いたことで世界的に有名な理論物理学者である。また、一般向け物理解説書も多数執筆され旺盛な社会発信力は今も健在である。佐藤先生には、自身が物理学者を目指すきっかけとなった広島長崎の原子爆弾について、そして、自身の研究に大きな影響を与えた、原爆の父、ロバート・オッペンハイマーについて語っていただいた。

オープニングセレモニー:初日11:30-12:00

上映開始時間:12:00 13:00 14:00 15:00 16:00 17:00 18:00(最終日は16:00まで)

上映時間:約45分

入場料:500円

 

略歴

笠木絵津子


現代美術家/写真家。千葉市在住。
1952年兵庫県生まれ。
1977年奈良女子大学大学院理学研究科物理学専攻修士課程修了。
1977年京都大学基礎物理学研究所文部教官助手となる。
1980年京都大学基礎物理学研究所を退職、フリーカメラマンとなる。
1984-87年高エネルギー物理学研究所(現、高エネルギー加速器研究機構)で加速器トリスタンの建設過程を撮影、1988年銀座ニコンサロンにて個展開催。
1992年ニューヨーク大学大学院芸術研究科スタジオ・アート専攻修士課程修了、帰国後は現代美術家として活動。
1994年岐阜県神岡鉱山東大宇宙線研究所スーパーカミオカンデ地下空洞にてインスタレーション「定家卿に捧ぐ」を実施。
1998年の母の死を機に、現在の写真と過去の写真を組み合わせたコンピューターグラフィクスによる写真コラージュ作品を制作、国内外で個展・グループ展多数。
2019年に出版した作品集『私の知らない母』で2020年第29回林忠彦賞受賞。
その他の受賞等は、2003年第26回キヤノン写真新世紀奨励賞、2007年第10回岡本太郎現代芸術賞入選、2007年第29回姫路市芸術文化賞芸術年度賞。
作品収蔵は、高エネルギー加速器研究機構、岐阜県飛騨市神岡町、姫路市立美術館、アート・バイ・ゼロックス、周南市美術博物館、他。


大原崇嘉 古澤龍 「Maneuver」

2023年3月23日(木)─3月30日(木) 

11:30 – 19:00 ※日曜休廊

art space kimura ASK P (B1F)

左/「Personal Aura」大原崇嘉/2023/W150 × H220 × D100cm
右/「Mid Tide」古澤龍/2023/W3678 x  H689mm 

大原崇嘉と古澤龍による二人展。

大原の新作「Personal Aura」は、Head-Coupled Perspective(裸眼立体視)の技術を用いたマルチスクリーンによる映像インスタレーション作品。映し出されるバーチャルヒューマンと鑑賞者の眼差し、この2つの交差が立体視の成立に働きかける作品構造は、虚実のリアリティを融解する。

古澤は新作の「Mid Tide」を展示する。波と岩の風景の撮影データに対して時間と空間の変換により489の比率で再構築した3画面の映像インスタレーション。時間の進行、停滞、逆行、空間の圧縮、拡張、ねじれ、が漸次的に移行、反転が繰り返され、見る側の時空間の認識を侵食する。

いずれも、リアリティをイメージメディアを通して分析的に再構築した作品となる。

助成:公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]

機材協力:株式会社JAPANNEXT

 撮影協力:株式会社クレッセント

 協力:東京藝術大学大学院映像研究科


ヨフ「流れる窓、追い越す目」

2023年3月23日(木)─3月30日(木)

11:30 – 19:00 ※日曜休廊

art space kimura ASK? (2F)

マルチスクリーンによる映像インスタレーションのシリーズ“Paraillusion”の新作による展覧会。再生される映像コンテンツの持つ空間性と、スクリーン自体の位置や向きによる空間性、さらにそこに介在する身体性によって複合的な映像空間が構築される。

現代的なメディア環境を通して拡張され続ける私たちの空間認識を足がかりとした表現は、新たな視覚体験の可能性を提示する。

助成:令和4年度メディア芸術クリエイター育成事業

 

Paraillusion [2022001] 2022年 W437×H240×D200cm


川村芽椎 菅谷杏樹 副島しのぶ HANUI展 「三人分の縫い代」

2023年3月6日(月)-3月11日(土)

11:30-19:00(最終日17:00まで)

入場料無料

本企画は横浜、知床、檜原村という異なった性質を持つ場所で生活し、活動する3名の作家が3様の場所で感じてきた自身の身体性や、歴史的に課されてきた役割、その意味などを、土着的信仰やその地域の風土、歴史などを各場所でリサーチします。現代社会が抱える問題や違和感がどのように生まれ、そして複雑化していったのかを、それぞれ異なる地域、気候、社会で生活する3人が、場所由来の経験や情報を対話を通してシームレスに共有することによって、多角的視点から見つめ直す試みです。

本展を皮切りに檜原、知床での巡回展を予定しています。

  • 川村 芽惟/愛知県出身。東京藝術大学先端芸術表現科卒業。身体や自己のありようを、パフォーマンスや写真、ソフトスカルプチュアなど様々なメディアを用いた制作活動を通して探る。北海道・斜里町に移住後は、耕作や狩猟、調理や古くなった衣類の修繕といった生活のシーンの中で共通するテーマについて考えている。2021年に地域初の芸術祭「葦の芸術原野祭」を実施、個展「piecing」開催、2022年NHKドキュメンタリー『ノーナレ 〜知床いのち巡る地より〜』に出演、「ラマンテ」出展。
  • 菅谷杏樹/東京都檜原村にて山の生活を営みながら、養蚕、養蜂、農業などを実践する。民間伝承や信仰の民俗学的リサーチから、人間中心主義における異種との関係性をテーマに主に自然物や映像を使用したインスタレーション作品を制作する。 2022東京藝術大学大学院美術研究科修了。主な活動として個展「Ambrosia」(myheirloom、東京 2022)、「霧を縫う」(ASK? 東京 2022)グループショー「科学と芸術の丘2022」「CAF賞 2018」、などがある。
  • 副島しのぶ/立体アニメーションの技法を使った短編映画や映像、写真、立体作品を制作。人形を主体としながら、生肉や乳、植物、粘土など形状変化・経年劣化の伴う素材を使うことで物質同士の境界線を融和し、立体アニメーションによるアニミズムの再考を試みる。主な受賞歴に第68回オーバーハウゼン国際短編映画祭 エキュメニカル審査員によるスペシャルメンション (特別賞)、第22回 文化庁メディア芸術祭 審査員推薦作品、アートアワードトーキョー丸の内 2018 木村絵理子賞など、国内外の映画祭で受賞、展覧会で発表している。