ASK?映像祭2024 2023年度受賞作家展 三度目の信号を無視して

2024年8月5日(月)~8月10日(土)11:30-19:00

まちだ リな

art space kimura ASK?

「くっきりとぼやけた」

2024年3月制作 サイズ可変(正方形サイズ) 5分26秒

これは、極東にあるちいさな島のはなし。

物語は自己批判を繰り返し、最も個人的な部屋を生成する。そうして箱を箱として捉えるための道具に成り下がった。向き合うべき信号はすでに二度あったにも関わらず。もはや、箱がその内側にヒツジを住まわせていた頃を思い出すこともない。

赤いワンピースのあの子は、空洞のなかにはヒツジがいると確信していた。ひとり断片的な情報から、完全な物語を探しにいく。

島はすこしずつその輪郭を強くして、最後の信号を出すことにした。

実際のところ、誰かにとって、あの子が赤いワンピースを着ていたことなんか一度もなかった。これはあの子がそれに気づいてしまうまでのはなし。そして、ちいさな島のあの子の箱のためのはなし。

■略       歴

 まちだ リな

野良のアニメーション作家。厚塗り絵の具をはじめとしたアナログ手法で制作。2021年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業。2023年東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。クマ財団6期生採択。映像作家100人2023、2024

榊原澄人個展

Iizuna Anachronicle イイヅナアナクロニクル〜杜の時間〜

2024年7月 9日(火)-7月27日(土)11:30~19:00 ※最終日17:00まで

この度の展示では、散歩しながら見た夢の模写、庭先で洗い物をしながら眺めた蜘蛛の編んでいた物語り(押し殺されたコトバとイメージが引っかかっていた)の写生、静止した時間と反復の中に孕まれた精霊たちの吃り唄を綴った叙事詩をベースに、対偶として互いを補完するペインティングとそれをタイムラインに乗せたアニメーション(儀礼)を展示します。

■略     歴

1980年生まれ。北海道十勝出身。

15歳で渡英後、2004年ロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA) アニメーション科修士課程修了。長野在住。

個展「共時的相互包摂境域の出現」 YUKI-SIS(東京) 2022 / 長野県立美術館 映像インスタレーション常設展示「飯縄縁日」2021〜 / 個展「永遠の変身譚」、はるひ美術館(愛知)2016 / 他  

オタワ国際アニメーション映画祭ノンナラティブ部門最優秀賞2022 /Weird Market映画祭最優秀賞2022/第9回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞2006 /他

矢尾伸哉 Eden-Garden 庭園のレトリック

2024年7月 8日(月)-7月13日(土) 日曜休廊 11:30~19:00 (最終日17:00まで)

art space kimura ASK?P (B1F)

本作は、上野動物園でのフィールドワークをもとにして制作された映像インスタレーションになります。前作「パラダイスの戦略」は楽園をテーマに制作されましたが、今回は庭園がテーマとなっています。

「動物園」を「庭園」と呼ぶことに違和感があるかもしれません。実際、動物園が庭園になるのは比較的最近のことで、17世紀フランスのヴェルサイユ宮殿まで遡ります。それまでは、動物たちを捕獲・監禁・飼育する施設は、主に見せ物や闘技のためのものでした。動物園が庭園になったこと、その来歴から、人類にとっての見せ物が動物殺生から「生の展示」へと移行したことが読み取れます。現代にいたっては、動物園は学術・教育目的施設として動物保護すら掲げて運営されており、ある意味で「生」のアーカイヴとなっています。さながらノアの箱舟のように。

 庭園にインストールされた動物たち。これはいかなる楽園を模しているのでしょうか。アートはすでに「生ける人間」の展示もやり終えていますが、それは一時的なものでした。動物園という終わりなきインスタレーションを前に、私は過去の残滓を観ているのか、それとも未来へと残存するものを観ているのでしょうか。

 本作では、1)動物園施設を見る、2)動物を見る、という2つの断面にそって、庭園へアプローチします。これによって私が試みるのは、動物庭園のまったく経験的な異本の制作であり、「生」と「アーカイヴ」の奇妙な交錯を提示できればと考えています。

■略     歴

2003年より写真・映像を中心とした視覚的アーカイヴをテーマとしたインスタレーションを制作・発表。

最近の作品として、「You Are Here」(MuseeF 2020)、「Version」(表参道画廊 2021)、「パラダイスの戦略」(Ask?P 2023)等がある。



小野絵麻・二三・絵里 展 ―― 人間・自然・宇宙 パ-トⅢ

2024年6月24日(月)~7月6日(土) 日曜休廊 11:30~19:00 (最終日17:00まで)

art space kimura  ASK?

「小野()()二三(フミ)絵里(エリ)展―人間・自然・宇宙パートⅢ」

2014年に岡山県立美術館で亡き父(小野()())と母(二三(フミ))の展覧会がありました。画家であると同時に 美術教育に生涯を捧げた二人の門下からは原研哉氏をはじめ、多くのデザイナー、画家、彫刻家を輩出しました。

若い頃 抽象画を多く描いていた父(()())は晩年徐々に社会風刺的な作風に変わっていきました。母(二三(フミ))は美しい石前を幻想的に描き、又、子どもの頃から戦争や環境破壊等、人間による暴力が耐えられなかった私(絵里(エリ))は、暴力のない宇宙を描いています。

                                                                                      2024.4 小野絵里(エリ)(長女・画家)

小野絵麻  「浮漂・怒る魚」162.0×194.5cm 油彩 アクリル キャンバス 1978

小野二三  「誇示」45.5×53.0cm 油彩 ボード 1978

小野絵里  「星座図」 162.2×162.2cm  油彩 キャンバス 2002

小野 絵麻  Ono Ema

1917年 岡山県高梁市に生まれる 本名・春治

1937年 東京高等師範学校(現・筑波大学)卒

1938年 旧制中学の教諭のまま応召 日中戦争で中国各地を転戦

1945年 岡山県へ疎開

1962年 類焼のため これ迄の作品の大多数を焼失

1964年 独立展、自由美術展を経て主体美術協会創立、会員、審査員として以後毎年出品

1972年 岡山県展招待出品、次年度より審査員として参加

1979年 美術教育への功績により全国表彰を受ける。小野絵麻・二三・絵里展(東京・日本画廊)

1997年 死去、享年80歳 

網膜色素変性症による視野狭窄がありながら、亡くなる直前まで創作意欲は衰えなかった 

2000年 「小野絵麻・絵里展-人間と宇宙への眼差し」(高梁市歴史美術館)「蛾の勲章」寄託

2001年 「小野絵麻・絵里展-人間と宇宙への眼差し」(銀座・ミカレディイベントホール)

2002年 「戦後岡山の美術(前衛達の姿)」(岡山県立美術館)

2014年 「小野絵麻・二三-人間・幻想・自然」(岡山県立美術館)作品数点収蔵

2016年 「コレクション展」(神奈川県立近代美術館)

その他、ギャラリー川船ほかにて企画展、個展多

小野 二三  Ono Fumi

1915年 大阪市北区に生まれる 本名・仁岸二三子

1919年 北海道釧路で後に画家となる次男・仁岸良次(画号・釧路(せんじ))が生まれる

1926年 日本の自由教育の先駆けであった奈良女子高等師範学校(現・奈良女子大学)附属小学校に転校   

     ここで二三の人格形成に多大な影響があったようだ

1930年 親の勧めで奈良女子師範学校(現・奈良教育大学)1部(4年制)に公費生として入学

1935年 奈良女子師範学校の美術専攻科へ進む

1945年 都島小学校に勤めていた時、大阪空襲に会い、小野絵麻(春治)の故郷の岡山県へ疎開 子供向

     け絵画教室を始める

1962年 類焼のため これ迄の作品の大多数を焼失

1979年 小野絵麻・二三・絵里展(東京・日本画廊)

1997年 小野絵麻(春治)死去により、東京で長女・絵里と暮らす

2002年 「戦後岡山の美術(前衛達の姿)」(岡山県立美術館)

2008年 死去 享年92歳

2014年「小野絵麻・二三-人間・幻想・自然」(岡山県立美術館)

作品数点収蔵 その他、個展、企画展多数

小野 絵里 Ono Eri

1949年  岡山県生まれ  父・絵麻 母・二三 ともに画家

1969年  国際青年美術家展に出品

1971年  多摩美術大学を卒業

1979年  第1回中村正義賞筆頭候補として第5回人人展に招待出品

1983年  安井賞候補

1994年  「平面とイメージの魅惑」展(練馬区立美術館)に出品

2000年から郷里と東京で「小野絵麻・絵里展」(人間と宇宙への眼差し)を開催 2002年  「戦後岡山の美術(前衛達の姿)」展に出品   その他、個展、企画展多数 制作の傍ら動物保護に打ち込む


LAND HO !

2024年6月 3日(月)-6月21日(金)11:30~19:00

作家/岩尾恵都子、岩熊力也、金田実生、風間サチコ、木村太陽、山本晶

art space kimura ASK?、ASK?P 、ギャルリー東京ユマニテ(同時開催)

■内       容

 2025年、再開発により、首都高速高架に沿って数多くのギャラリーがあった京橋の姿は消えることになるでしょう。中でも多くの現代美術を排出させたこの場所で、アーティストとしての一歩を踏み出した作家たちによる展覧会を企画しようということになりました。

京橋にサヨウナラを記すのではなく、京橋の一番上の地層に新しい風景を描くプロジェクトです。

始まりも終わりもなく廻り続ける東京。時には軽く、時には踏みしめて跳び続けている作家たちは「描き」続けています。それは例えば、18世紀後半にローマの建築家ピラネージが紙の上に建設した都市のように、既視感とは無縁に、現実の風景として立ち現れます。

新しい京橋の一つ下の層の記憶は、次の新しい種を、素敵な若い芽として芽吹かせるでしょう。それはアートにしかできません。連綿と続く京橋の、そこに在ったアートはこれからも続き、新しい地層の一つであると記す展覧会にしたいと思います。

■岩尾 恵都子

1993年          多摩美術大学大学院美術研究科修了

1997年          第12回 ホルベインスカラシップ奨学

1998年          個展 ギャラリー山口(2000年6月にも開催)

2000年          「VOCA 2000」展にて VOCA賞を受賞

2006年          「アートとともに 寺田小太郎コレクション」展 府中市美術館

2015年          「クインテットⅡ―五つ星の作家たち」展 東郷青児美術館

■岩熊 力也  

1990年          日本大学芸術学部映画学科中退

1992-93年       イタリア、フィレンツェに滞在

1997年          Bゼミ修了

1997/98年       個展/グループ展 ギャラリー山口

1998年          個展 南天子画廊

2004年          (財)ポーラ美術振興財団在外研修生としてメキシコシティ滞在

■金田 実生  

1988年          多摩美術大学大学院美術研究科修了

1998年          個展 ギャラリー山口

2009年          「アーティスト・ファイル 2009〜現代の作家達」展 国立新美術館

■風間 サチコ  

1998・1999年    個展/グループ展 ギャラリー山口

2006年          「第9回 岡本太郎記念現代芸術大賞(TARO賞)」 優秀賞

2022年          「Tokyo Contemporary Art Award 2019-2021」受賞展 

■木村 太陽

1995年          創形美術学校研究科卒業

1996・1997年・1998年 個展 ギャラリー山口 

1999・2002年    五島記念文化財団海外研修およびポーラ美術振興財団海外研修プログラムによりドイツに滞在

■山本 晶           

1998年          個展 ギャラリー山口

1999年          「New Aspects」グループ展 南天子画廊

2002/06年       「VOCA2002・2006―現代美術の展望〜新しい平面の作家達」展

2005年          文化庁新進芸術家海外研修によりニューヨークに滞在

       

助成:公益財団法人 朝日新聞文化財団

協賛: 東京建物株式会社

協力:ギャルリー東京ユマニテ art space kimura ASK? 無人島プロダクション


鈴木志郎康・鈴木野々歩・村岡由梨 「極私的家族再会上映会」

2024年5月17日(金)5月18日(土)

12:00-(プログラムA) /13:30-(プログラムB) /15:00- (プログラムC) /16:30- (プログラムD)

入場料500円

*5/18(土)プログラムD 終了後「表現者の血を超えて」と題して萩原朔美さんとのトークがあります。

作家 鈴木志郎康・鈴木野々歩・村岡由梨

■内       容

2022年9月8日に87歳で亡くなった義父・鈴木志郎康のお墓は、経堂にあります。その墓碑銘には「遊 極私」とあり、志郎康さんが生前デザインしたもので、その言葉の通り、詩や映画と戯れるように軽やかに駆け抜けた87年でした。亡くなった後、志郎康さんを慕う多くの方々が上映会などを企画して下さいましたが、私たちが家族として志郎康さんにしてあげられたことは数少なく、夫・野々歩(志郎康さんの次男)が十数年ぶりに完成させた新作映像作品を見せることが叶わなかったことも心残りでした。今回の上映会は、そんな心の小さなトゲがきっかけとなって企画されました。

志郎康さん、夫、私が初めて作った映像作品で構成された『はじめての映像作品』、コミカルな身体表現をテーマとした『コミカル!』、それぞれが43歳前後で制作した『43歳』、そして『家族を撮る』の4つのプログラムで繰り広げられる三者三様の映像表現を、どうぞお楽しみ下さい。(村岡由梨)

*会期中、会場内で詩集の物販あり

プログラム A 『はじめての映像作品』(78分)

EKO Series 鈴木志郎康 1963/20分

Mに捧ぐ 村岡由梨 2002/8分

人たちきらい 鈴木野々歩 2003/50分

プログラム B 『コミカル!』(66分)

極私的に遂に古稀 鈴木志郎康 2005/36分

俺とla takeとwii(石膏) 鈴木野々歩 2009/25分

私が肉を食べない理由Ⅰ 村岡由梨 2002/5分

プログラム C 『43歳』(67分)

眼球の人 村岡由梨 2023/2分

写さない夜 鈴木志郎康 1978/46分

映像書簡あぶり出し・あそーと。 2022/9分

プログラムD 『家族を撮る』(63分)

日没の印象 鈴木志郎康 1975/24分

風をとって 鈴木野々歩 2008/20分

透明な世界 村岡由梨 2019/7分

透明な私 村岡由梨 2020/12分

鈴木志郎康

1935年生まれ。2022年9月8日没。1952年ごろから詩を書き始め、早稲田大学第一文学部仏文専修を卒業。1961~1977年に、NHKのカメラマンとして勤務する一方、詩作を続け、同人誌「凶区」を創刊。1968年に詩集「罐製同棲又は陥穽への逃走」でH氏賞を受賞。2002年、詩集『胡桃ポインタ』で高見順賞、2008年に「声の生地」で萩原朔太郎賞を受賞。1960年代半ばから個人映画の制作も始め、一貫して日記的、身辺雑記的な空間として映像作品を作り続けた。代表作は、『日没の印象』、『15日間』など。1976年からイメージフォーラム映像研究所専任講師、1990年から多摩美術大学教授を務め、後進の指導にも尽力した。

鈴木野々歩

1980年東京生まれ。イメージフォーラム映像研究所卒業。詩人・映像作家の鈴木志郎康の次男であり、映像作家・詩人の村岡由梨の夫で、彼女の作品制作に携わっている。『風をとって』(2008)が第31回東京ビデオフェスティバルで優秀作品賞を受賞、第12回調布ショートフィルム・コンペティション入選。2児の父。

村岡由梨

1981年東京生まれ。日本女子大学附属高等学校中途退学、イメージフォーラム付属映像研究所卒業。一貫して「セルフポートレート」にこだわった自作自演の映像・写真作品などを制作、出演・美術・撮影などのほとんどを自ら行う。統合失調症の治療に伴い、2009年より作家活動を休止、2016年本格的に再開。第67回オーバーハウゼン国際短編映画祭グランプリなど国内外で受賞多数。2018年から詩作を始め、第1詩集『眠れる花』で第27回中原中也賞候補、第72回H氏賞候補にあがる。2児の母。


3D映画の最終結論 センチメンタル

2024年5月 6日(月)-5月11日(土)

ASK?P(B1F)

作家 山岡 信貴

 

映画上映日時各日 11:30/13:15/15:00/16:45

※初日は11:30の上映は御座いません。

各回監督によるアフタートーク有り/上映時間:72分

当日料金¥1500/予約料金¥1300

※ご予約はhttps://sentimental2405.peatix.com/から

 




それは3Dの最終結論か、新たな表現の幕開けか。
 
3.11を経て大きく変わるかと思われたこの国も、10年を経てみれば目が覚めるような変化はなく、そして迎えたパンデミックにおいても自分こそが正義だと信じて疑わず罵り合う様が繰り広げられた。一体、人間にとって正義とは何なのか?主張の違うお互いがわかり合うことは永遠に訪れないファンタジーなのか?
 
幼児を殺害しミイラにするという猟奇殺人をテーマに、異常なストーリー展開で罪と罰の根元を問う映画がこの『センチメンタル』だ。
 
そして、この物語に不可欠な要素として導入された3Dという映像表現。単なる流行だと扱われがちな3D映画の新たな可能性を『縄文にハマる人々』で開花させ、先進映像協会ルミエールジャパンアワード優秀作品賞を受賞した山岡信貴監督が3Dのさらなるポテンシャルを引き出した最新作でもある。
 
古今の3Dを再度検証し直し、必然性をもった3D表現を追求した結果、これまでハリウッド映画で使われていた手法の多くが効果的ではないという結論を得て、ストーリーと表現を緻密に連携させた映画が誕生した。

 
【Story】
まだ5歳になったばかりのマリという少女が殺害され、ミイラとなって発見された。
犯人の考古学者である雨宮啓子の行方は知れず、犯行を手伝った啓子の一人娘が逮捕されるも未成年で精神状態が普通でないことから罪に問われることはなかった。
それから7年経ったある日、成長した啓子の娘は金属製の箱の中に閉じ込められて、箱の外にはマリの父親を名乗る男が立っていた。
男の過酷な尋問を受け、想像を超えた殺人の動機が明らかにされる。
 
【キャスト・スタッフ】
出演 川島充顕(『PICKLED PUNK』『天然性侵略と模造愛』)
   PICO
監督 山岡信貴
   (『縄文にハマる人々』『死なない子供、荒川修作』『アートなんかいらない!』)
音響 プリン爆発プリン
上映時間 72分
 

 
【コメント】
これまでの3D制作の常識とされていたことのことごとく反対を行くことで、これまで誰も到達しえなかった、3Dの新境地を獲得した稀有な作品
 
麻倉怜士(オーディオ・ビジュアル評論家)VIDEO SALON2021年3月号より
 
【山岡信貴監督プロフィール】
1993年に初長編映画『PICKLED PUNK』を監督。ベルリン国際映画祭ほか多数の映画祭に招待上映される。以後も実験的なスタイルを貫きながら定期的に作品を発表し続けつつ、携帯電話キャリアと共に視覚の心理状態への影響の研究やデバイス開発等、サイエンスの分野にも積極的に取り組んでいる。
2013年にはロサンゼルスのIndependent film makers showcaseにて全長編作品のレトロスペクティブが開催された。
2010年よりドキュメンタリー分野に進出し『死なない子供、荒川修作』『アートなんかいらない!』を発表。『縄文にハマる人々』と本作『センチメンタル』では先進映像協会ルミエールジャパンアワード優秀作品賞を受賞している。


時を紡ぐ:潜在、乱れ、そして生の深遠

2024年3月18日(月)~3月23日(土)

11:30~19:00※最終日17:00まで

 art space kimura ASK?(2F)、ASK?P(B1F)

作家 佐藤地央、阿部零、笠原豪

 

本展は、佐藤地央、阿部零、笠原豪の3人によるグループ展だが、空間は作家ごとに区切られ、それぞれの作家性が独立しながら絡み合う。
佐藤地央は直感的な部分を重要視した制作スタイルをとっており、これによってその時の自身が抱く思考や感覚、環境をより自然な流れで作品に表す。 佐藤が 「濃いイメージ」と話す独特な感性がある。

阿部零は日々の生活において個人の感覚や思考などが乱れる瞬間と自他の繋がりをテーマにし、様々な素材をあえて乱雑に用いながら生活の中で研磨された己の主義を一つの作品という形へ成させ、それらは鑑賞者一人一人を乱し、様々な繋がりをつくる。
笠原豪は日常の見落としてしまっている幸せや生命の起源や意味に関心を持ち、油彩でそれらを表現している。作品たちはどれも一概には言い表せないような主張や問いなどを想像させる含みを持ち、鑑賞者に些細な幸せの気付きや生の不思議を感じさせ、契機をつくりあげる。
3人がこれまでに経てきた全てを凝縮させ、今をそれぞれの作品に表し、鑑賞者一人一人に変化や起点を生み、それぞれの今後に作用する。変えがたい時間と空間を生み出す。

阿部零『My Shqua 』制作:2023年サイズ:610×910mm
素材:塩ビ板・写真・油彩・アクリル・イヤホン

 

笠原豪『幸拾い』制作:2024年サイズ:227×158mm
素材:油彩、キャンバス

 

佐藤地央『覗き 』制作:2024年サイズ:1167×910mm
素材:パネル。アクリル、ペン、パステル

略歴

阿部零

2002年 神奈川県生まれ

2021年 和光⼤学表現学部芸術学科 ⼊学

笠原豪

2002年 埼玉県生まれ

2020年 高校生国際美術展 佳作賞

2021年 和光大学表現学部芸術学科 入学

2021年 公募展「二十歳の輪郭」 出展

2022年 和光大学 詫摩ゼミ展 出展

2022年 和光大学 詫摩ゼミ展「直に触れる」出展

2023年 椛田ゼミ展 「スイッチ」出展

2023年 和光大学椛田ゼミ展「imagine」出展

佐藤地央

2002年 神奈川県生まれ

2022年和光大学入学

2023年椛田ゼミ展「スイッチ」(和光大学パレストラ)

2023年椛田ゼミ展「imagine」(和光大学パレストラ)


中村恭子・郡司ペギオ幸夫展「BOG BODY—召喚される身体」

■会       場 : art space kimura ASK?/ASK?P

■会          期 :2024年2 月 19 日(月)-3月9日(土)※日曜休廊

       11:30~19:00※最終日17:00まで

※トークイベントは2/23(金祝)14:00 より開催予定

肉体は自明ではない

湿地の奥、抽象の果てに召喚される

■中村恭子 略歴

中村 恭子 Kyoko Nakamura

長野県下諏訪町 生まれ

2005年 東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻 卒業

2010年 東京藝術大学大学院美術研究科絵画専攻日本画研究領域博士課程 修了、博士(美術)

現職 大阪大学中之島芸術センター准教授、東京外国語大学AA研フェロー、早稲田大学総合研究所招聘研究員

主な展示歴

もんぜん千年祭2024(信州善光寺本坊大勧進紫雲閣/長野 2024)、大阪大学中之島芸術センター開館記念 中村恭子日本画作品展「風景の肉体」(大阪大学中之島芸術センター/大阪 2023)、N-ART展2022 vol.1(ガレリア表参道/長野 2022)、長野県文化振興事業「Re-SHINBISM 1」(ギャラリー82/長野 2022)、諏訪市美術館令和4年度特集展示:中村恭子日本画作品展「脱創造する御柱」(諏訪市美術館/長野 2022)、中村恭子展「首を擡げたアルシブラ」、中村恭子「皿鉢絵巻展」、中村恭子・郡司ペギオ幸夫刊行記念「TANKURI 創造性を撃つ」展、中村恭子日本画作品展「書割少女のアンチノミー」、中村恭子・郡司ペギオ幸夫展「立ち尽くす前縁・立ち尽くされた境界」、中村恭子・郡司ペギオ幸夫展「フーリエの日々」(順にArt Space Kimura ASK?/東京 2016、2017、2019、2021、2022、2023)、中村恭子日本画作品展「書割少女」(新潟大学旭町学術資料展示館/新潟 2022)、中村恭子日本画作品展「書き割りの身をうぐひすは無限小の幸福」(新潟市美術館市民ギャラリー/新潟 2021)ほか多数。

著書

主な著書に中村恭子・郡司ペギオ幸夫『TANKURI 創造性を撃つ』水声社、2018など。

中村恭子ウェブサイト:http://www.kyokonakamura.jp/

郡司ペギオ幸夫 略歴

郡司ペギオ幸夫 Yukio Pegio Gunji

1982年 東北大学理学部地学科 卒業

1987年 東北大学大学院 理学研究科博士後期課程 修了(理学博士)

1999年 神戸大学理学部地球惑星科学科 教授(2014年3月まで)

2014年~ 早稲田大学理工学術院 基幹理工学部・研究科 教授、神戸大学理学部名誉 教授(現職)

主な展示歴

もんぜん千年祭2024(西之門よしのや北蔵/長野 2024)、Alife 2023:無意識的関係性展(北海道大学クラーク会館/北海道 2023)、中村恭子・郡司ペギオ幸夫刊行記念「TANKURI 創造性を撃つ」展、中村恭子・郡司ペギオ幸夫展「立ち尽くす前縁・立ち尽くされた境界」、中村恭子・郡司ペギオ幸夫展「フーリエの日々」(順にArt Space Kimura ASK?/東京 2019、2022、2023)。

著書

主な著書に『原生計算と存在論的観測』(東京大学出版会、2004)、『生命理論』(哲学書房、2006)、『生きていることの科学』(講談社現代新書、2006)、『時間の正体』(講談社選書メチエ、2008)、『生命壱号』(青土社、2010)、『群れは意識をもつ』(PHPサイエンス・ワールド新書、2013)、『いきものとなまものの哲学』(青土社、2014)、『生命、微動だにせず』(青土社、2018)、『天然知能』(講談社選書メチエ、2019)、『やってくる』(医学書院、2020)、『セルオートマトンによる知能シミュレーション―天然知能を実装する』(共著、オーム社、2021)、『かつてそのゲームの世界に住んでいたという記憶はどこから来るのか』(青土社、2022)、『創造性はどこからやって来るか –天然表現の世界』(ちくま新書、2023)ほか多数。

郡司ペギオ幸夫ウェブサイト:http://www.ypg.ias.sci.waseda.ac.jp/


古澤龍個展  Mid Tide

1月15日(月)-1月27日(土)※日曜休廊

11:30-19:00

art space kimura ASK? (2F)

古澤は絵画、映像の領域を横断しながら視覚表現の新しい可能性を探究してきました。2020年から海景の撮影と、その映像への時間軸を操作する手法を用い、映像作品Waves Etudeの制作を続けてきました。風景を時間軸から捉え、波という自然現象に含まれる様々なリズムを掬い上げる独自のアプローチは文化庁メディア芸術祭アート部門審査委員会推薦作品に選出されるなど評価を得てきました。

そこから発展したMid Tideシリーズは、複数の時間の流れが同時に展開し、それらが空間の歪みへと変質していく表現をさらに深めています。潮の満ち引きがいつのまにか風景を侵食するように、この作品は見る人の知覚の水準に静かに影響を及ぼします。

主催:古澤龍
助成:公益財団法人野村財団、公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京[スタートアップ助成]
支援:令和5年度文化庁メディア芸術クリエイター育成支援事業
協力:東京芸術大学大学院映像研究科

■略歴:                                          

1984年東京都生まれ。アーティスト。

2010年東京芸術大学絵画科油画専攻卒業、2012年同大学映像研究科メディア映像専攻修了。

東京芸大大学芸術情報センター教育研究助手、非常勤講師、情報科学芸術大学院大学[IAMAS] 産業文化研究センター 研究員を経て、2018年より東京芸術大学大学院映像研究科博士課程在籍。

イメージメディアに対する時間と空間を組み替えるコンピューテーショナルな操作や、イメージ定着プロセス自体へのフィジカルな介在により、見る人の視知覚へ揺らぎをもたらす手法を用いる。その中にかろうじて現れる風景をテーマとする。またアーティストコレクティブの「ヨフ」としても活動している。

https://ryufurusawa.com