2021年12月20日(月)~12月26日(日)
会場 : art speace kimura ASK?(2F)
イタリアの名門モゼッティ家所蔵、「マルキニ回想録」・「ボフィーカ植物図」を中心に
Mosetti家が蒐集してきた数々のコレクションを紹介する。 ボフィーカの世界で生きる
異形の生物・植物の姿から心の奥底に潜む自然への畏敬の念の再認識を促す。
展示作品の詳細
その場にあるものをそのまま撮影するのではなく、「自然が作り上げた造形と人工物との融合」をテーマに、数種の花々と、リボン・和紙を組み合わせ自然と調和して暮らす「ボフィーカ」という国と、その国を紹介する書物「マルキニ回想録」という世界観を構築し創作度の高い写真作品を撮影。私達の心の奥底に潜む、自然への畏敬の念の再認識を促す。
作品制作手法
デジタル・アーカイバル・プリントに金箔を特殊方法によって吸着することで、写真のイメージから脱却した作品として仕上げている。また、プリントのみではなく、近年確立してきた、ダイレクト昇華プリント技法を用いて、紙では不可能は大きさの大型布出力作品による空間アートで、自身の創造した世界観の表現を目指す。写真技法がベースではあるが新たな表現方法の可能性があることを示していきたい。
【補足】
*マルキニ回想録 「Memoirs of Boficca 」
8世紀の著述家:アルベルト・マルキニ(Alberto Marchini)によって書かれた旅行記。
*ボフィーカ 「Boficca(bəfikə)」
マルキニ回想録の中に、ボフィーカ 「Boficca(bəfikə)」 という場所を訪れたという記述が残る。
回想録には、ボフィーカの植物や生活する人々の様子が多く書かれており、生き物と自然が調和して暮
らす理想の国とされている。ただ、私達の住む世界とは様々な点で違いが見出され、ボフィーカは彼の夢の中に存在した世界なのか異世界へ空間を移動したのか、何処にあってどうやって行けたのか、今もまったく分かっていない。各地にボフィーカの事を指すのではないかと想像ができる伝説や神話を見聞きすることができるがその存在は未だ解明されていない。
モゼッティ家(Mosetti Family)
450年以上の歴史を誇るイタリアの名門。何代にも渡って蒐集した美術・骨董品の中でも特に秘蔵とされる書物「マルキニ回想録」のように、独特の所蔵品が多くその全貌は未だ不明。
■略歴:
KAO’RU® (柴原 薫)
ホームページ : http//:www.kaorushibahara.com
- 1967年名古屋生まれ
- ニューヨークにて活動後、拠点を東京に移す。
- 広告写真の他に花を中心とした植物・和紙・リボンを使った作品を制作。
- 亀山トリエンナーレ2017・2022 / Minato Media museum 2021 / 第9回1000の小箱展
- 85・86・88国展写真部門 / 58回二科展写真部門 /日韓美術交流展