2021年12月6日(月)~12月18日(土)
会場 : art speace kimura ASK?(2F)
4年ぶりに個展をさせていただきます。この4年間、特に後半は世界中がコロナウィルスに翻弄された2年間でした。460万人以上の方が感染症で亡くなり、それは今も続いています。
「わたしは知っている。なぜ人びとが死者を土に埋め、そのうえに考えうるかぎりいちばん重く永続的なものである石をのせるのかを。そうしないと大気のなかに死者がみちあふれてしまうからだ。」(「儚い光」黒原敏行訳・早川書房)とアン・マイクルズは言いました。
数千年前のギリシャの遺跡は、そこに確かに存在した人々の痕跡を伝えてくれますが、死者の時間と現在の私たちの時間が交錯する風景があるのかもしれない、と思いました。
そして「時間的継起を風景へと展開することで、それだけよりよく、時間を見ることが、経験することが、把握することが、それに働きかけることができる。」(「晩年のスタイル」大橋洋一訳・岩波書店)とエドワード・サイードは述べています。ご覧になっていただければ幸いです。
井上 直