2021年5月31日(月)~6月12日(土)
会場 : art speace kimura ASK?(2F)
本展は、コロナ禍がもたらした“もがき”のなかで、今改めてつくることの持続と、そして制作の「その先にあるもの」への期待を、11名の美術家の描く、それぞれの「花」の表現を通して見出すことをテーマに企画されました。作品サイズは、すべてS3号(27.3×27.3㎝)に統一し、1作家2点、合計22点の平面作品と、本展キュレーター仲世古佳伸の「花」の映像作品により構成します。
[ 参加アーティスト]
・青山悟(あおやま さとる)
1973年東京都生まれ。ロンドン・ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業。2001年にシカゴ現代美術館附属美術大学で美術学修士号を取得し、現在は東京を拠点に活動。工業用ミシンを用い、近代化以降、変容し続ける人間性や労働の価値を問い続けながら、刺繍というメディアの枠を拡張させる作品を数々発表している。
近年の主な展覧会に、2020年「ドレス・コード?ー着る人たちのゲーム」(東京オペラシティギャラリー、東京)、2019年「Unfolding : Fabric of Our Life」(Center for Heritage Art &Textile、香港)などがある。
・淺井裕介(あさい ゆうすけ)
1981年東京都生まれ。個人のアトリエでの制作と並行して、2003年よりマスキングテープに耐水性マーカーで植物を描く「マスキングプラント」の制作を開始。また、滞在制作する各々の場所で採取された土と水を使用して描く「泥絵」や、道路で使用される白線素材シートを使って制作するなど、条件の異なる場所においても奔放に作品を展開している。
主な展覧会に、2021年「生命の庭」(東京都庭園美術館、東京)、2015-2016年「淺井裕介ー絵の種 土の旅」(彫刻の森美術館、神奈川)、2016年「生きとし生けるもの」(ヴァンジ彫刻庭園美術館、静岡)などがある。
・O JUN(おう じゅん)
1956年東京都生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科油画専攻修了。人物やもの、風景といった日常のありふれたモチーフを、油彩、鉛筆、クレヨン、顔料、水彩など様々な具材を用い、独自の描きで見慣れぬ世界を作り出す。
近年の主な展覧会に、2019年「ギホウのヒミツーO JUN、鬼頭健吾、田淵太郎とともに」(高松市美術館、香川)、「途中の造物」(ミヅマアートギャラリー、東京)、2017年「O JUNx棚田康司展 鬩ぐ(せめぐ)」(伊丹市美術館、兵庫)、2016年「O JUN展 まんまんちゃん、あん」(国際芸術センター青森、青森)、2013年「O JUN 描く児」(府中市美術館、東京)などがある。
・小笠原盛久(おがさわら もりひさ)
1948年愛知県生まれ。高校の時、美術を志すが夢はかなわず、岡崎市市役所に定年まで勤める。65歳の時に再び美術を目指し、2019年名古屋芸術大学大学院美術研究科同時代研究領域修了。
主な展覧会に、2020年「小笠原盛久展ー出会いのラプソディ」(渋谷ヒカリエ8/、東京)、2019年「名古屋芸術大学展 卒業・修了制作展2018選抜展」(愛知県美術館、愛知)、2018年「AICAD’18」(マレーシア国立美術館、マレーシア)、「6つの主題」(名古屋芸術大学Art &Design Center、愛知)、2015年「Spinach」(愛知芸術文化センター、愛知)などがある。
・荻野夕奈(おぎの ゆうな)
1982年東京都生まれ。2007年東京藝術大学大学院美術研究科修了後、アーティスト活動を始め、国内外で絵画作品を発表している。自己・女性性をテーマに、花や身体をモチーフにした絵画だけでなく、ライブペインティングや新聞の連載小説の挿絵、ファッションブランドへの展開など幅広く活動する。
近年の主な展覧会に、2020年「With in Sight」(Mizuma &Kips、ニューヨーク)、「数寄景/NEW VIEWー日本を継ぐ、現代アートのいま」(日本橋三越本店、東京)などがある。2021年1月、自身初となる作品集『FLOWER &BODY』を刊行する。
・佐藤舞梨萌(さとう まりも)
愛知県生まれ。2005年講談社フェーマススクールズ卒業。自然との触れ合いから得たインスピレーションを、「理想の心象風景」へと昇華させる、生命観あふれる色彩による絵画を制作。
主な展覧会に、2020年個展「Sense of Wonder」(art space kimura ASK?、東京)、2019年「昇華のモルフォロジー 佐藤舞梨萌/山口真和」[キュレーター:西村智弘](KOMAGOME1-14cas、東京)、2017年個展「BLOOM」(art space kimura ASK?)、2016年「花 ドルチェ 問い/」[キュレーター:仲世古佳伸](Gallery MARUHI、東京)などがある。
・五月女哲平(そうとめ てっぺい)
1980年栃木県生まれ。2005年東京造形大学美術学部絵画科卒業。
主な個展に、2020年「our time 私たちの時間」(void+、NADiff a/p/a/r/t、青山|目黒、東京)、2018年「絵と、」[キュレーター:蔵屋美香](gallery αM、東京)など。主なグループ展に、2019年「MOTコレクション第2期 ただいま/はじめまして」(東京都現代美術館、東京)、2017年「Postー Formalist Painting」(statements、東京)、2015年「引込線2015」(旧所沢市立第2学校給食センター、埼玉)、2014年「絵画の在りか」(東京オペラシティアートギャラリー、東京)などがある。
・寺門孝之(てらかど たかゆき)
1961年愛知県生まれ。1983年大阪大学文学部美学科卒業後、セツ・モードセミナーにて長沢節氏に絵を学ぶ。1985年「第6回日本グラフィック展」大賞受賞。東京・神戸を拠点に、独自の天使画をはじめ、書籍装画、広告ポスター、ライブペインティング、絵本など幅広く活動。
主な展覧会に、2020年、作詞家松本隆とのコラボレーション展「風街ヘブン」(神戸市立相楽園旧小寺家厩舎、兵庫)、「天国:寺門孝之展」(西脇市岡之山美術館、兵庫)などがある。2010年角川映画「人間失格」の劇中画など他分野とのコラボレーション多数。2015年受胎告知画における天使表現の研究で博士号取得(芸術工学)。
・長谷川繁(はせがわ しげる)
1963年滋賀県生まれ。1986年愛知県立芸術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。1988年同大学院美術研究科修了。その後デュッセルドルフ、アムステルダムにて滞在、制作。
主な展覧会に、2019年個展「PAINTING」(Satoko Oe Contemporary、東京)、2010年「絵画の庭 ゼロ年代日本の地平から」(国立国際美術館、大阪)、2009年「放課後のはらっぱ 櫃田伸也とその教え子たち」(愛知県美術館、愛知)、2005年「11thインドトリエンナーレ」などがある。
・升谷真木子(ますたに まきこ)
1982年東京都生まれ。2012年武蔵野美術大学造形学部油絵科卒業。2014年東京藝術大学大学院絵画科油画専攻修了。日常の中にある見過ごしがちなものや、植物をモチーフとして色鉛筆を使った繊細なペーパーワークと、スタンプやステンシルを使用した絵画を制作。
主な展覧会に、2017年「light relief」(ANAインターコンチネンタルホテル東京、東京)、2016年「Whose sleeve?」(Satoko Oe Contemporary、東京)などがある。
・森本太郎(もりもと たろう)
1969年岡山県生まれ。1994年東京造形大学造形学部デザイン学科卒業。1995年東京造形大学研究生修了。現在東京を拠点に制作。
主な個展に、2020年「neutral tones」(void+、東京)、2019年「呼応するインテリア」(GALLERY TAGA2、東京)、2009年「つなぎとめるもの」(奈義町現代美術館、岡山)など。主なグループ展に、2021年「COLLECTION×森本太郎」(GALLERY TAGA2、東京)、2014年「森鴎外記念館で現代アート! vol.2ー生命の連鎖・イメージの連鎖」(文京区立森鴎外記念館、東京)、2006年「第3回府中ビエンナーレ 美と価値ーポストバブル世代の7人」(府中市美術館、東京)などがある。
[ キュレーター ]
仲世古佳伸(なかせこ けいしん)
1955年三重県生まれ。1980年大阪芸術大学芸術計画学科卒業。1991年ナカセコアート設立。展覧会のキュレーション、エディケーション、構成・ディレクション、批評、制作など、アートという視座から多面的な表現活動を行う。1995年より2000年まで、東京青山を舞台にしたアートイベント「モルフェ」の総合ディレクターを務める。
近年の主な活動に、2020年「数寄景/NEW VIEWー日本を継ぐ、現代アートのいま」(日本橋三越本店他、東京他)の構成ディレクション、2011年「TARO LOVEー岡本太郎と14人の遺伝子」(西武渋谷店、東京)のキュレーションなどがある。