ー藤倉麻子ー
——— はげ山と閑散都市の原始/functional, primitive ————
2018年7月2日(月) - 7月14日(土)
11:30~19:00(最終日17:00迄)※日曜休廊
藤倉は、映像メディアを用いて、近代都市の機能にある種の過剰性(原始的な呪術性)を見出すことを試みている。都市に潜在する新たなリアリティを表現するため、テクスチャと映像の触覚性について思考し、人の姿を都市から排除した世界を作り上げる。 本展覧会では、高速道路と排水設備という都市機能を軸に据え、潜在するオブジェクトの自律運動を展開し、現代に漂うふたつの亡霊(ghost)を抽出する。前近代から近代へ移行する過程において、非理性的なものを議論の蚊帳の外に置くことによって生み出された亡霊と、人間中心の合理主義に基づいて生産されたにもかかわらず、人の手を離れ自走していく工業製品という亡霊。映像の中で、工業製品は理性と機能を逸脱した運動を始めている。作り手の制御から逃れ得る3DCGソフトを使い機能の自立を表象する一方、人間が機能の逸脱の現場に並び立つ様子を探る。 |
◆プロフィール 藤倉麻子 1992年生まれ 2016年東京外国語大学外国語学部南・西アジア課程ペルシア語専攻卒業 2018年東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修了 おもな展示歴 2018年 ブルーシート 斎藤大幹・河野元・早川翔人・藤倉麻子グループ展 2018年 MEC award 2018入選作家展 2018年 穴塞ぎ 藤倉麻子・西片例二人展 2018年 MEDIA PRACTICE17‐18 2017年 京浜東北戦線ʼ17 2017年 東京藝術大学ゲーム学科(仮)展 2017年 OPEN STUDIO 2017東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士二年修了制作 中間発表|修士一年特別演習成果発表 2017年 Rhythms + Visions / Expanded + Live 3 南カリフォルニア大学プロジェクト 2017年 CAMPUS ASIA 韓国KARTS VR交流プログラム参加、展示 2017年 MEDIA PRACTICE16-17 2016年 スマートイルミネーション 馬車道プロジェクション2016 2016年 OPEN STUDIO 16東京藝術大学大学院映像研究科メディア映像専攻修士二年修了制作 中間発表|修士一年特別演習成果発表 2015年 短編映画「アチラグ」ユーロスペース上映 映画美学校修了制作セレクション上映 2015年 短編映像「あめ」 神楽坂セッションハウス上映
2015年 MES POOLMUG 短編映像「空中ススキ」上映
KDCC2018小林茂審査員賞
メディアを用い、テクスチャと映像の触覚性について思考し造形表現を追求する。都市をリサーチして都市の新たなリアリティを生成し、近代都市の機能にある種の過剰性(原始的な呪術性)を見出すことを試みている。現代に「人間の理性を超越したふたつの亡霊(ghost)」を仮定し、都市論を展開する。非理性的なものを議論の蚊帳の外に追いやることて生み出された亡霊と、人間中心の合理主義の産物でありながら人間の手を離れて今現在に自動作動していく工業製品という亡霊。シーンの中で工業製品は機能を逸脱した自律運動を始めている。都市の設計者であるとともにその臓器の一部でもある人間の姿を都市のイメージから排除し、人間による理想都市の建設とその行く末を描きつつも、見え隠れする亡霊を目の前に連れ出す。
|