11:30~19:00(最終日17:00迄)※日曜休廊
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・生成された2コマ漫画 引用漫画: cさんりようこ「OL ランチ」, c葛原 兄「高校の人達」, Manga109 本展覧会は学術発表でありデータセットManga109 の利用規約に従い以下の作品を引用してい ます。 ・展覧会内容 人工知能画家・静(しずか)は自律的に絵を描くコンピュータ・プログラムです。静は与え られた画像をそのままなぞって描くのではなく、自らが視覚情報を獲得し、概念として蓄え、 再構成したものを描きます。静は2000 年より制作を開始し、様々な変遷を経て現在は8 号です。 今回のこの展覧会では8 号が描き出した2 コマ漫画などを展示します。 静8 号の制作目的は人工知能が自律的に物語を作れることの可能性を確かめるためです。人 間は、素材となる様々な情報を取り入れて、自分なりに消化しオリジナルの作品を作ります。 そこで静8 号でも、既存の漫画を分析することによって、新しい漫画の物語を作ることを試み ました。具体的には人間の作家によって描かれた既存の4 コマ漫画から、登場人物とフキダシ を特定し、その位置や内容を抽出しました。そして性別と年齢が近い登場人物は同一人物とし て扱い、位置とセリフの対応を考慮して本来とは違うコマ同士を組み合わせました。 そもそもの大目標は人間の創作行為の本質を知ることです。したがって、私は人間のように 外界を学習をする人工知能をモデル化することに注意しています。学習型モデルの人工知能を 用いて、コンピュータと人間を対比させると、人間の創作行為をコンピュータで置き換えられ る部分と置き換えられない部分が明確になります。この違いを考察することは、人間の創作行 為の本質を知ることにつながります。 このように私にとって人工知能画家は、人間の認知と表象の哲学的探求であって、人間を超 える創作機械を作る事ではありません。私たちは道具を使わずに作品を作る事は出来ませんが、 コンピュータを道具として見た場合、制作過程のかなりの部分をコンピュータに任せる事も将 来は不可能ではないでしょう。では、どこまでコンピュータに任せる事が出来るのか?その先 にどうしても任せる事が出来ない部分があるとしたら、それこそが人間の純粋な創造力ではな いのか?そのような哲学的問いが私をプログラミングに駆り立てます。そして、このようなプ ログラムの展示が訪れた人の芸術創造に関する知的好奇心を刺激する事に繋がればよいと考え ます。 はたして、おそろしく沢山の漫画を読んだ人工知能が漫画を作れるとしたら、それは人間と 同じように創造したことになるのでしょうか? ・略歴 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 教授 1968 年 兵庫県神戸市生まれ 1993 年 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻造形構想 修了 1993 年 京都市立芸術大学作品展 大学院市長賞 (京都市美術館) 1998 年 カリフォルニア大学サンディエゴ校芸術電算研究所客員芸術家 (サンディエゴ/アメリ カ) 1999 年 国際交流基金海外人物派遣フェローシップ 授与 2000 年 プリ・アルス・エレクトロニカ2000 ネット部門 入賞 (リンツ/オーストリア) 2001 年 Siggraph2001 アートギャラリー 選出 (ロサンゼルス/アメリカ) 2002 年 ヘルシンキデザイン芸術大学(現アールト大学)メディアラボ 留学 (ヘルシンキ/フィ ンランド) 2002 年 第10 回フィンランド人工知能学会全国大会 論文採択および口頭発表 (タリン/フィン ランド) 2003 年 公立はこだて未来大学システム情報科学部情報アーキテクチャ学科 講師 2003 年 情報処理推進機構未踏ソフトウェア創造事業 採択 2004 年 京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了 博士(美術)学位取得 2005 年 中山科学振興財団研究助成 採択 2008 年 ISEA2008 口頭発表 (シンガポール) 2009 年 SmartGraphics2009 ArtTrack 選出 (サラマンカ/スペイン) 2010 年 GenerativeArt2010 展示および口頭発表 (ミラノ/イタリア) 2011 年 FILE2011 選出 (サンパウロ/ブラジル) 2012 年 個展「人工画家・静7号」 (Art Space Kimura ASK?P) 2013 年 SiggraphAsia2013 アートギャラリー 選出 (香港) 2015 年 映像表現・芸術科学フォーラム2015 口頭発表 (早稲田国際会議場) 2016 年 パリ東大学マルヌ=ラ=ヴァレ校IMAC 招待講師 (パリ/フランス) 2017 年 HCII2017 招待講演 (バンクーバー/カナダ)
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