■内　  容

—時々、わたしは自分を思い出したい。—

目の前に満ちている、光、音、色、匂い、触感の刺戟を外界から直接的に受け取る機会が少なくなってきた。
身体化された機械によって、人と会話したきになり、事物を知ったきになるように、雰囲気で生きている人であふれていることに恐ろしさを感じる。
もうすでに、私たちはどこかに置き忘れた感覚があるのではないだろうか。
生まれたての感受性は、心地良い刺戟だけでなく、不快な刺戟も素直に受け取ることができる。快、不快で充満した身体が経験する感応は、その経験をより深いものにする。
慣れきった日常生活の中で葬り去られた思考や感覚を回帰させたい。

今回は、熱した鉄くずを感熱紙に押しあてる行為を象った作品と制作風景のビデオを展示します。一脚の椅子に座り、ビデオから聞こえる音、作品から発する匂いを感じて自己の身体と対話してほしい。

■略　　歴   

1990 　福岡県田川市に生まれる
2009　 福岡県立田川高等学校　普通科　卒業
2011　 九州造形短期大学　造形芸術学科　グラフィック専攻　卒業
2013　 和光大学　表現学部　芸術学科　卒業

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