お陰様で無事終了いたしました!ご来場頂きありがとうございました。


      今年で10回目となるASK?映像祭。過去10年を振り返ってお楽しみ頂けるプログラムをご用意しました!
    
Part1: ASK?映像祭2013受賞作家展(杉殿育恵個展、受賞者作品展)
      
7.23(水) - 7.29(火)  open 11:30-19:00 ※27(日)のみ休廊

      
Part2: プログラム上映(歴代受賞作家旧作・新作セレクション、2014年度受賞作品集)
      
8.1(金) - 8.3(日) ※上映時間はスケジュールをご確認下さい。

     会場 : art space kimura ASK? (2F) / ASK?P(B1F)



 






  Part1: ASK?映像祭2013受賞作家展
  7.23(水) - 7.29(火)
 open 11:30-19:00 ※27(日)のみ休廊

  ASK?映像祭では、前年度のコンペティション受賞者に展示の場を設けています。
  今年は、昨年大賞を受賞した杉殿育恵による個展と入賞者4名によるグループ展を開催いたします。



▶ 杉殿育恵個展 ASK?(2F)にて

2013年大賞受賞作品「メロメロ」の上映をはじめ、原画や撮影素材の展示・販売を行います。また、杉殿育恵が所属するクリエイティブユニットpecoraped (ペコラペッド)による映像作品も上映します。

杉殿育恵Webサイト
http://www.ikuesugidono.com/
 
「メロメロ」10分 2013
ゼロを使う計算の可能性が広がった世界。
それを利用して恋をする女性。



▶ 2013年受賞者作品展 ASK?P(B1F)にて ▶ 

地下のスペースでは、2013年久里洋二賞・西村智弘賞・ASK?賞の受賞作家によるグループ展を行います。
今年は、鈴木沙織・八代健志・村本咲・古跡哲平の4名による展示です。
【久里洋二賞】 


「感傷の沈殿」
6分 2012 / 鈴木沙織

考えと姿勢をダンスの様に動きやイメージで綴った作品。生を肯定する姿勢を目と心で感じられるように、命が溢れる様なイメージを作った。
【久里洋二賞】
 

「11月うまれの男の子のために。」
3分 2012 / 八代健志

いつもと違うまぶしい光。何かの気配に窓の外を覗く男の子・・・・。初雪の朝、小さな男の子に贈られた、小さなプレゼントのお話。
【西村智弘賞】
 

「夜ごはんの時刻」
8分 2013 / 村本咲

5時のチャイムとともに遠ざかっていく遊びの時間と、これから家で待っている夜ごはん。そのあいだにある、何とも言えない時間帯。
【ASK?賞】
 

「1981-2001」
11分 2012 / 古跡哲平

作者自身が写された記念写真を基にした作品。実際に写真が撮られた一方向の時間の流れとは違う時間軸が回り始める。









Part2: プログラム上映
  8.1(金) - 8.3(日)
 ※作品の並びは上演順ではありません。上演時間はスケジュールをご覧ください。


  




「今村商店」5分 2011 / 告畑綾





「今村商店」 5分 2011 / 告畑綾
「暮らしあと」 10分 2009 / 佐竹真紀
「収集家の散歩」 6分 2010 / 大見明子
「向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった」 5分 2009 / 植草航
「いくえみの残像」 5分 2007 / 横田将士
「dorothy (ragged film #4)」 9分 2009 / 島田量平
「Resight」 4分 2008 / 平川祐樹
「築地市場」 7分 2007 / 孫于景

 ※順不同

上演時間
 8.1(金) 14:00- / 8.2(土) 16:00-




 
「布団」 6分 2012 / 水尻自子
 
「布団」 6分 2012 / 水尻自子
「around」 3分 2007 / 加藤隆
「夜中の三時」 6分 2006 / 野上寿綿実
「蠕虫舞手」 7分 2004 / 和田淳
「Between Showers」 3分 2009 / 岩崎宏俊
「floating polyphony」 3分 2008 /大西景太
「Scripta volant」 10分 2011 / 折笠良
「SANKAKU」 5分 2011 / 若井麻奈美
「めまくら」 10分 2010 / 白玖 欣宏 + 平岡 佐知子


 ※順不同

上演時間
 8.1(金) 16:00- / 8.2(土) 18:00-





 
「Googuri Googuri」 8分 2010 / 三角芳子
 

「Googuri Googuri」 8分 2010 / 三角芳子
「パンク直し」 4分 2008 / 岡本将徳
「くつした」 7分 2012 / 加藤郁夫
「雲の人 雨の人」 7分 2007 /上甲トモヨシ
「ヨナルレ Moment to Moment」 8分 2012 / 中田彩郁+サキタニユウキ
「服を着るまで」 9分 2010 / 北村愛子
「ウシニチ」 9分 2008 / 一瀬皓コ
「食べる人たち」 3分 2012 / 村本咲

 ※順不同

上演時間
 8.1(金) 18:00- / 8.3(日) 12:00-





 
「Anomalies」 3分 2013 / 和田淳
 
「Anomalies」 3分 2013 / 和田淳
カラスは真っ白officialMV「fake!fake!」 3分 2014 / 植草航
「here and there」 9分 2012 / 島田量平
「かまくら」 5分 2013 / 水尻自子
「昼の木 」 3分 2014 / 野上寿綿実
「DARK MIXER」 5分 2014 / 岩崎宏俊
ハイスイノナサofficialMV「地下鉄の動態」 4分 2012 / 大西景太
トリプルファイヤーofficialMV「スキルアップ」 4分 2014
   / オタミラムズ(白玖欣宏+平岡佐知子)+谷端実
「MOSQUITONE」 9分 2011 / 三角芳子
「まっすぐな道でさみしい」 6分 2012 / 岡本将徳

 ※順不同

上演時間
 8.2(土) 12:00- / 8.3(日) 14:00-








大賞 『さとうのちひろ』
   5分 2013 / さとうちひろ 
   さとうちひろにまつわる、いくつかのおはなし。 





 
 
 
 久里洋二賞
『犬の夢』

6分 2012 / 李旭堃

地震や津波などの自然災害を
題材にした作品。

西村智弘賞
『コップの中の子牛』

11分 2014 / 朱彦潼

父が娘に、牛乳コップに
牛がいると嘘をついた。

ASK?賞
『GYRO』

6分 2014 / 円香

湖畔に住む象と女の夫婦に
ある日事件が起こるが・・・。
 
入選

『Waiter』 9分 2013 / 山田遼志  『花芽』 6分 2014 / 中野咲
『肛門的重苦Ketsujiru Juke』 3分 2013 / 冠木佐和子
『さとうのちひろ ブラック』 6分 2014 / さとうちひろ
『おでかけ』 5分 2014 / 川上彩穂  『奇妙なフォーク』 3分 2014 / 川平美緒
『Ici, là et partout』 2分 2013 / 冠木佐和子  『デジタル』6分 2012 / 坂井治
『Trough The Windows』 3分 2014 / 佐藤美代  『mangekyou』 1分 2014 / 河野佑香




上演時間
 8.1(金) 12:00- / 8.2(土) 14:00- / 8.3(日) 16:00-

表彰式
8.3(日)上映終了後




 コンペティション2014総評

                               映像評論家・美術評論家 西村智弘氏より

 

 早いものでASK?映像祭も今年で10回目である。もともとこの映画祭は、映像のコンペティションを行うところから始まっていて、コンペの入賞作を発表する場を広げようという話から映像祭という名を付けたイベントに発展したのであった。あいかわらず小さくて地味な映像祭であるが、それが10年も続いたのは、ひとえにコンペに応募してくれたすぐれた作家たちのおかげである。

 今回のコンペも例年通り多くのすぐれた作品が集まった。わたしは、すべての作品を見た段階でとくに気になる作品が三つあった。朱彦潼の『コップの中の子牛』、さとうちひろの『さとうのちひろ』、山田遼志の『Waiter』である。わたしは、この三作ならばどれが大賞になってもよいと思っていた。

 結局大賞は、三人の審査員が共通して評価した『さとうのちひろ』に決まった。ごくごく短いお話がいくつも合わさった作品なのだが、そのひとつひとつがなんともとぼけた感じのシュールな内容になっている。画面のなかにコマ割があるのも効果的で、独自の世界観をつくりだしていた。

 久里賞には李旭堃の『犬の夢』、ASK?賞には円香の『GYRO』が選ばれた。これらは、それぞれの審査員が自分で選んだ作品である。実をいえば、いずれもわたしには予想外の選択で、人の評価はさまざまだと改めて思った次第である。『犬の夢』は、洪水に巻きこまれる世界を犬の視点で描いていて、丁寧に描きこまれたアニメーションであった。『GYRO』は、奇妙なキャラクターが登場するアニメーションで、さまざまな素材や技法を使った個性的な作品となっている。

 西村賞は、『コップの中の子牛』と『Waiter』のどちらにするか悩んだが、前者を選ぶことにした。『コップの中の子牛』は、幼い子供の日常を幻想的なイメージを交えて描いている。絵も動きも実に達者で、子供から見た世界が丁寧に描写されていて、アニメーションとしての完成度が高い。『Waiter』も完成度の高い作品である。奇妙なキャラクターが跋扈するシュールな世界が描かれているのだが、キャラクターが魅力的で、画面の質感などにこだわっているところなどもわたしの好みであった。

 中野咲の『花芽』は、ドローイングによるアニメーションである。シンプルな線に限定することで女性の身体感覚を手描きによる線の魅力として描くことに成功している。冠木佐和子の『肛門的重苦』も女性の身体がテーマだが、こちらはなんともぶっ飛んだ作品で、最初に見たときは唖然としてしまった。しかし、もうひとつの入選作『Ici,La et partout』では彼女のもつ繊細な感性を垣間見ることができる。

 川平美緒の『奇妙なフォーク』は個人的に好きな作品である。エキゾチックな世界をアニメーションにしていて、風景の描き方や象徴的なイメージの使い方にセンスを感じる。坂井治の『デジタル』は、タイトルと裏腹にアナログな作品で、東京の人をイメージ化しているらしい。さまざまなスタイルを混在させた実験的な作品だが、形態のメタモルフォーゼが楽しく、アニメーションが本質的にもっている魅力を引き出している。

 佐藤美代の『Through the Window』は、窓から見える風景からさまざまなイメージが膨らんでいく作品である。少々地味だが、描きながら動画化していく手法をうまく取りこんでいた。河野佑香の『mangekyou』は、シンメトリーの効果を活かしているのがおもしろくセンスもあるが、もう少し展開がほしいところである。



 


                                                      ASK?代表 木邑芳幸     


今年でASK?映像祭も10年目を迎える。毎回優秀な作品が応募されており、その後活躍されている方々も多数おられる事は嬉しい限りである。

今回も個性的な作品が多数応募された。

さとうちひろの「さとうのちひろ」が大賞となった。4コマ漫画風のコマ割りされた画面にショートストーリーが同時進行する。1つの事象は映画のカット割り的に分割され、有機的に関わっていく。シュールなモチーフの面白さと相まって分割されたコマの干渉が新たなディメンジョンを生み出し、観る者を引き込んでいく。入選の「さとうのちひろブラック」も同様の魅力をもっている。久里洋二賞は李旭堃の「犬の夢」が選ばれた。東日本大震災を思わせる地震や津波に襲われる街を、画面は犬の視点で移動する。低い視点が迫り来る恐怖を強調する。飼い主との絆である赤いボールを巧く使ってストーリーをまとめている。西村賞は朱彦潼の「コップの中の子牛」、二人暮らしをしてしている父と娘のストーリーである。働きながら父親一人で娘を育てる苦労は、父親の嘘から伺い知れるが、娘は大人になって父の愛情を深く知ることになる。心温まるストーリーと共に温かみに満ちた絵が感動をさそう。ASK?賞は円香の「GYRO」、湖畔に住む象と女という不思議な夫婦の話である。レゲエのリズムと分解写真的な動きの痕跡が果てしなく連なる時間を感じさせる。象の夫はインドの神様ガネーシャか、、。ジャイロは回り続ける輪廻の証か、、。夫婦というユニットをシンボリックに愛らしく描いた作品である。

以下は入選である、山田遼志の「Waiter」,中野咲の「花芽」は入賞作品と僅差であるように思える。「Waiter」はかなりダークな世界が描かれている。音の使い方などが抜群に巧く、

作品に深みを与えている。「花芽」は昨年の「ひとかけ」に続き2回目の入選であるが、女性性を強く感じさせる色、線の使い方が一層進化したように思える。今後の展開が楽しみである。冠木佐和子の肛門的重苦「Ketsujiru juke」はスカトロチックで下品な内容であるが、ポップな色彩とスクラッチミュージックでセンスよく仕上がっている、何となく60年代の匂いが漂っているような、、。「lci,la et partout」も同様に危ないサジ加減を巧く使っている。川上彩穂の「おでかけ」はクレイアニメであるが、謎の生物が外出して他の生物と混ざり合うという突飛なストーリーである。粘菌を思わせる動きがクレイ自体のグニャグニャとしている質感と合わさって面白い効果を生み出している。川平美穂の「奇妙なフォーク」は異国情緒溢れる映像と音楽でメランコリックな世界を描いている。坂井治の「デジタル」は人をモチーフにしているが、抽象的な形との呼応により面白い効果をあげている。佐藤美代の「Though The Windows」は窓から派生するイメージをファンタジックに描いている。音楽の質の良さが光る作品であった。河野佑香の「mangekyou」は万華鏡と双子のキャラクターを巧く用いた作品であった。キャラクターが不思議な魅力を醸し出している。












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