点をうつ 
佐藤綾/丹野友貴 インスタレーション
2012年1月30日(月)〜2月11日(土・祝日)

11:30〜19:00(最終日17:00まで、日曜休廊)
 
会場:ASK? P (B1F)





佐藤 綾  pinpoint  2010



佐藤 綾  業  2010




丹野 友貴   風測る-y   2011
62×171×15 mm



untitled
(インスタレーションのための写真ドローイング)
2011


■内容 :
古代中国の画論に山水、即ち風景画とは、ハンディーなサイズの画面に天地のあらゆる自然の営為を観る行いであるという言説がある。人はそこに想像力をめぐらせる。だから山水とは確固たる世界観を持った人格者の所産であったわけだ。
 いま、我々の時代の芸術は遥かに卑近な存在となり、そこに世界との距離感など必要とされない。
 しかしここにきて、活動を始めたばかりの若い作家の制作をみていると、彼らは彼らの方法で、外界に対する尺度を持った表現が散見されるようになっているようだ。長かった、果てしない自己言及の時代が一応の終わりを遂げつつあり、新しいジェネレーションが姿を見せているのだろう。
 ここで紹介する二人の作家も、自分たちを包含する外界の原理を測ろうとして、制作している作家である。
 佐藤綾の作品には数種のバリエーションがあるが、ひとつは、三本の画鋲が上向きに置かれ、その針の頂点に茶釜、杓、卵、はてはドラム缶が据えおかれる。トイレットペーパーに書かれて軸装された「無」の書といい、彼女の捉えようとする人と外界との関係性を呈示するのである。
 丹野友貴は、糸と木片、時によっては紙片のプリントやわずかな言語を室内に点在させている。それらはいわば自然界の計測器具であり、彼女自身の言に拠れば「限りなく少ないことばで多くを包み込」みながら「削いで削いで、世界の輪郭を浮かび上がらせ」ることを目論んでいる。
 彼女らがここに呈示するのは、彼女たちが嗜好する物体では決してない。わずかな間隙から、未知のものが、不可知であることを、呈示しようとしているように見えるのである。
(和光大学教授 半田滋男)


■作家略歴


佐藤 綾(さとう あや)
1988 横浜に生まれる
2009 「アンデポンタン '09」和光大学 東京
2010 「one day exhibition & live performance CAWC , Kanagawa」喫茶ミンカ 北鎌倉
    「アンデポンタン '10」和光大学 東京
2011 「0時間」和光大学表卒業制作展 BankART Studio NYK 横浜
    和光大学表現学部芸術学科卒業


丹野 友貴(たんの ゆき)
1988 神奈川県に生まれる

2009 東京家政大学家政学部造形表現学科中途退学
2011 和光大学表現学部芸術学科卒業

主な展示
2011 「丹野友貴子 展」 青樺画廊 京橋
    「plus展 part3」ギャラリー檜plus 京橋
    「0時間」和光大学卒業制作展 BankART Studio NYK 横浜
2010 「Focusless」川崎市アートセンター 川崎
2009 「Unexpected」新宿眼科画廊 新宿
2008 「100人のポートフォリオ展」新宿眼科画廊 新宿


 

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