植田 信隆 「表象と結合術」 宇津保舟
2012年3月19日(月)〜3月31日(土)
11:30〜19:00(最終日17:00まで)日祝休廊
会場:art space kimura ASK? (2F)
「表象と結合術 −宇津保舟ー Op.2」
2011年 130cm×97cm
■内容 :
昨年から今年にかけて『虚舟・芸術と科学の婚姻』という展覧会が、川崎市の岡本太郎美術館で開催されました。
この展覧会の虚舟(うつろぶね)という名前は、澁澤龍彦さんの同名の小説に由来しています。澁澤さんは、ヨーロッパの奇想と幻妖の文学を日本に紹介した方ですが、晩年、日本文化に回帰していったことはあまり知られていないかもしれません。この小説「うつろ舟」には、江戸時代のUFO伝説とは別に、その原型とも考えられるような日本古来の概念が存在しています。それが、宇津保(うつぼ)舟です。小さな神様が、海を渡るために使う中空の乗り物をさします。中空の入れ物に人知れずウツリ来るもの、それが、たま(魂)であり、それは、やがて成りまさり、みあれして現実の世界にウツリます。これが、ウツツの世界であり、みあれとは、神がエピファニー(顕現)することを指します。(詳しくは、折口信夫さんの著書「霊魂の話」をご覧ください。)
今回の展覧会は、昨年に引き続いて「表象と結合術」から「宇津保舟」をテ−マに制作した作品をご覧いただきます。
ここに登場するのは、虫たちや、石や、骨などですが、それらがどのようにモナドの容器というべきうつぼ舟と結合されたかを ご覧くださればと思います。
■作家略歴
1957 広島市に生まれる。
1979 広島大学教育学部美術科卒業
1991〜1992 オーストリア国立ウィーン応用美術大学(Hochschule fur Angewandte Kunst in Wien)にてアドルフ・フローナー(
Adolf FRHONER )教授の絵画クラスに学ぶ。(この間、広島国際文化財団奨学生)
2005〜2006 神戸芸術工科大学大学院研究生として高木隆司特任教授のもとで渦の実験と解析を行う。
2006 伝統文化における文様国際会議ISKFA 06 Japan ( 大阪大学 ) にて論文「世界の歴史的渦巻き文様の解析」を高木隆司と共同で発表
個展
1993 広島オーストリア協会本部/広島
1994 日辰画廊/東京
1995、'96、'97、'99、2000、'01、'03、'07 かねこ・あーとギャラリー/東京
1998 ギャラリー白/大阪
2002 Alternative Art Space パラグローブ/東京
2004、'09、'10、'11 アートスペースキムラ ASK?/東京
2011 アートスペースキムラ ASK?(P)/東京
主なグループ展
1979 第四回ヒロシマルネッサンス美術協会展 審査委員特別賞(広島県立美術館)
1980 アーティストユニオンシンポジウム(東京都美術館)
1996 「今を生きる」展(牛渕ミュージアム/愛媛県)
1997 「21世紀を考える」展(牛渕ミュージアム)
1998 「観相の空間」マンダラ・尾道・曼荼羅展(尾道市立美術館)
2004〜05 「松澤宥と九つの柱 ― 九相の未来 ― パリニルヴァーナに向かって」(広島市現代美術館)
2008 「渦と記憶」(アートスペースキムラ ASK?/東京)(ガレリア プント/岡山)
「ルドルフ・シュタイナーと芸術」(ギャラリー冊/東京)
2010 「渦と記憶」(カスヤの森現代美術館/横須賀)
2011〜02 「虚舟 芸術と科学の婚姻」(岡本太郎美術館/川崎)
作家HP http://www.megaegg.ne.jp/~nobutaka-ueda/