「15世紀フランドル絵画からの展開」
能島芳史 展
2012.11.20(火) − 12.1(土)


*11/23(祝・金)開廊 *11/25(日)休廊
open 11:30−19:00 最終日16:00まで
会場 :art space kimura ASK? (2F)



風蝕F 2011 130F  板・白亜地、油彩

■内容
 「私の中では最も古いものが、最も新しいものに変わるのだ」と述べる杉山博司氏の
テーゼとも言われる言葉は、私にとっては全く実践的な共感を持って受け入れることが出来る。
すなわち、油絵史上最も古い技法である15世紀フランドル技法によって描かれた絵画が、
展示する空間のコンセプトを転換する事によって、まるで新しい絵画に生れ変るのだ。
 空間のコンセプトの転換……。そのためには空間をもう一度フアン・アイクが活躍した
「中世の秋」の時代に戻してやらなければならない。現代の空々しい白の壁面を黒い布で
覆い尽くして漆黒の闇を呼び出さなければならない。
照明は闇を棲息させるためスポットライト1本で充分であろう。
 すると、フランドル技法で描かれた絵画は闇の中で浮かび上がり、不思議な事に絵画自体から
光を発する発光体となってよみがえるのだ。
 それは、まるで作品の背後に映写機があり、画面に向けて投光しているかの様に見えてしまう。
そのため鑑賞者のほとんどは、作品の背後にカラクリが隠されているものと思い込み、
背後の映像装置をさがし当てる誘惑を抑える事ができない。
 かくして、最も古いフランドル技法が、その最も重要な要素となっている白亜地と透明画法の
お陰で、まさに現代的な映像作品であるかのように転換して、新たな質を獲得するのである。



■作家略歴

1948 年 富山市に生まれる
1971 年 金沢美術工芸大学油絵科卒業
1977〜80 年 ベルギー王立ゲント美術大学修復科にてフランドル技法を習得
ボッシュ作「大洪水の祭壇画」模写(ボイマンス美術館・オランダ)
ボッシュ作「聖ヒエロニムス」模写(ゲント美術館・ベルギー)


■展示歴 :
1993 年 「アートは楽しい 夢と空想の風景展」招待/ハラ ミュージアムアーク
      「風土展」/東京セントラル美術館(〜'02)
1997 年 「第1回熊谷守−大賞展」出品/アートピア付知交芸プラザ
2001 年 「心の原風景展」招待/富山県民会館美術館
2004 年 「第5回北日本美術大賞展」招待/富山県民会館美術館
      中ノ沢美術館にて個展
2005 年 「とやまの美・7人のいま未来展」招待/富山県民会館美術館
2008 年 「第8回あさご芸術の森大賞展」出品/あさご芸術の森美術館
2009 年 「第19回富嶽ビエンナーレ展」大賞受賞/静岡県立美術館
      「色彩は踊る・巨匠たちのパレットと作品展」招待/富山県立近代美術館
      「第1回青木繁記念大賞西日本美術展」出品/石橋美術館    
2010 年 朝日町立ふるさと美術館にて個展
      「第10回あさご芸術の森大賞展」出品/あさご芸術の森美術館
2011 年 「第20回富嶽ビエンナーレ展」招待/静岡県立美術館
2012 年 楽翠亭美術館・蔵にて個展

個展 : タップ・エン・テーペルン(ベルギ―)
   銀座スルガ台画廊、ギャラリー新宿高野、四季彩舎、
   松屋銀座、ギャラリーNOW
   所属団体 : 日本美術家連盟会員
   富山県富山市在住

 


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