■内容
今回の個展は10回でワンクールの連続展の9回目にあたる。
7回目までは長野県の北部、野尻の山の中での仕事であったが、 前回展から東京に仕事の場を移して
2回目の個展となる。野尻では本当に自然の中での仕事であった。
山や湖、畑、四季様々な 変化の中で、毎回異なるテーマを探し出して仕事を続けてきた。
その中でなぜかいつもリンゴの木が頭に残っていた。 風雪に耐えた木、季節ごとに姿を変える全体像にひかれ、
やがてその幹にできるうろ(空洞)に目が移っていった。
幹に巨大な 空間ができてもりんごの木は生き花を咲かせ実をつけていく。やがて朽ちていくことを知りながら、
その時を生きる生命力に 圧倒される。
空洞とは一体何なのか、なぜできるのか、中に何があるのか、単なる暗い空間なのか、その空洞の中に入り、
そこからずっと 外を見ていたらどんな世界が見えるのだろうか。もし空洞が木から離れて空中で浮遊していったら、
と限り無く夢は拡がっていく。東京に戻って4・5年たつが、いつも田舎での暮らしや仕事のことが思い出され、
作品のあちこちに姿を見せる。この得難い存在 の空洞が今回展のテーマである。
■作家略歴
1930年 東京に生まれる
1953年 東京芸術大学油絵科卒業
1955年 渡仏
1957-63年 パリで制作 グループ展などで作品発表
■展示歴 :
個展
東京 ギャラリー悠玄 (1993年)
ギャラリー山口 (1998年,99年,01年,02年,04年,06年,08年)
ギャラリーASK? (2010年)
長野 ギャラリーはせがわ(01年)
座・アッシュアール(03年)
二人展
ガレリア表参道 高畑一彰との二人展 (07年・長野)
トキアートスペース 鳥羽啓之との二人展 (08年・東京)
世田谷美術展 1999〜2005年