麻田牧子 ASADA Makiko - ストロンボリ-『地底旅行』U展-
7.28(Mon) - 8.9日(Sat)
Open 11:30 - 19:00 (日曜休)
*最終日は 17:00まで
内 容
ああ、なんという旅だ!なんという驚くべき旅だ!
ぼくたちは火山から入って、別の火山から出た。
そしてこの別の火山たるや、スネッフェルスから
地の果てに投げ出されたあの不毛の国アイスランドから
4800キロ以上も離れたところにあるとは!
この探検旅行のさまざまな偶然に運ばれて
ぼくたちは地上のもっとも美しい国のただなかに来たのだ。
永遠の雪の国を捨てて、無限の緑の国に来たのだ。
凍てついた地の灰色の霧を頭上に残して
シチリアの紺碧の空の下に帰ったのだ!
ジュール・ヴェルヌ 『地底旅行』1864年 金子 博 訳
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今回の個展では、ヨーロッパ有数の火山島、ストロンボリをテーマに絵画と彫刻を展示します。
2005年春。私はミラノのアパートで、写真や資料の整理の参考にと
梅棹忠夫の『知的生産の技術』を読んでいた。
ところが、著者がジュール・ヴェルヌ 『地底旅行』を読んでデータを失ってしまったリサーチは、
もうその意味をなさないのだと書いていることに強い印象を受けた。
賛成でも反対でもない、ただ辛いような苦しいような、
それにもかかわらず、小さな喜びのような感覚をおぼえた。
その夏を日本で過ごし山の家で偶然、姉の蔵書印のある『地底旅行』を見つけて読み、強く惹かれはじめた。
制作に対する動機は今でも自分にはよく判らない。
これをテーマに制作することで、いったい何が私を突き動かしているのかを知ることになると思う。
2008年6月 ミラノ
麻田牧子
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【略歴】
個展 歴
2007 - 『地底旅行』 スタジオ・クリスティーナ・デル・ポンテ ロカルノ(スイス)クリスティーナ・デル・ポンテ監修
2002 - オープンスタジオ ロイベ・アーティスト・イン・レジデンス・プログラム ロイベセメント工場
ザルツブルグ (オーストリア)
グループ展 歴
2008 - 箱の中の遊び アルテ・ジャッポーネ ミラノ
2007− 「閃光」 ヴィスコンティ城 トレッツォ・スル・アッダ (ミラノ郊外 イタリア)
2006 - 現代美術なかの軽さ カゾレッラ美術館 ロカルノ(スイス)
2005 - 彫刻のある時間 練馬区美術館区民ホール 東京
2003 - 第2回パヴィア若手作家国際美術展 パヴィア(イタリア)
【photo】